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Channel: スポーツナビ+ タグ:コソヴォ
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刺激的なるパルティザンvsシュケンディヤ79

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 ほんの数週間前に2010-11シーズンが終わり、欧州のサッカーシーンがオフ・シーズンに突入したかと思いきや、この20日には何と!早くも新シーズンのCL予選の組合せが発表となった。 その緒戦のキックオフが6月28日。もちろん本選から登場するチームの選手はまだバカンスを楽しむことができるわけだが、W杯やEUROがなくとも今時の選手はなかなかしっかりとした休息を取ることができないことを改めて知る想いだ。 今回組合せが決まった予選1、2回戦は、正直アウトサイダー的チームの潰し合いという色合いが濃い。UEFAランクの高い国のチームは、予選といえども3回戦から登場となる。 普段であればその組合せにも大して注視しないのが常なのだが、この2011-12シーズンに関しては俄然目を惹くカードがあった。 パルティザン・ベオグラードvsシュケンディヤ79の顔合わせだ。 セルビアとマケドニアのクラブという旧ユーゴ勢同士の対決となるわけだが、このカードはその図式だけでは括れない気がしてならない。 シュケンディヤ79のあるテトヴォはマケドニア北西部の外れに位置する。隣接するのがセルビア…というよりもコソヴォといったほうが分かりやすいだろうか。 2008年2月にセルビアからの独立を宣言したコソヴォは国際的には未承認国が多いのが実情だが、先のコソヴォ紛争以降人口の90%以上をアルバニア人が占有するようになるなど、実質アルバニア人の(セルビア領内という認識だとしても)国家内国家の様相を呈している。 紛争の事実からもセルビアとの乖離は著しい。 そして、テトヴォの人口も約7割をアルバニア人が占めるといった構成になる。隣接するコソヴォや本国アルバニアとの結びつきは当然大きいに違いない。 シュケンディヤ79はそんなテトヴォの町にアルバニア人のクラブとして1979年に創設された。メンバーにはマケドニア人やセルビア人の名も見られるが、多くはアルバニア人プレーヤーによって構成されている。 以上の事実を踏まえて、パルティザン・ベオグラードvsシュケンディヤ79という顔合わせをもう一度見ると、その捉え方もずいぶんと変わってくるのではないだろうか。 ツルヴェナ★ズヴェズダよりリベラルな印象があるとはいえ、パルティザンもセルビア随一の名門クラブである。そんなチームとマケドニア…というより、アルバニア、いやコソヴォと連なってるかもしれないアルバニア人チームが対戦するのだ。 何やら危うい予感がしてならない。 それは決して興味本位だけで言っているわけではない。どだい「スポーツと政治は別」といっても 実際にはそれはありえないわけで…。国がありそこに住む人がいてその国に愛情を抱いていれば、スポーツが国威発揚の意を成したり、どこかと折り合いが悪ければ代理対決の様相を呈する。それはある意味自然な理の流れでもある。 とはいえ、意識的に注視こそしてしまうが、決して「何か」を期待しているわけではない。ピッチ内の戦いがスポーツのルールの中で白熱するのは構わないが、ピッチ外がこの組合せを意図的に利用して何かを起こすようなことは決してあってはならない。平和裏に試合が終わるのであればそれに越したことはない。 先ほど2010-11シーズンの放送が終了したFOOTでは、折に触れて、ホントか冗談かCL抽選の意図的操作?にまつわる話がしばし出ていたことを思い出すが、もしUEFAが本当に手心を加えてるのであれば、もう少し配慮の利いた組み合わせにはできなかったのだろうか??ということを、今、何とはなしに思う。 この対決はあまりにも刺激的すぎるカードだ。

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